あなたの夫(妻)が慢性骨髄性白血病になったとき、あなたには何ができますか?
私の夫は、2012年に慢性骨髄性白血病という病を発症しました。
知人はおろか、家族の中でも慢性骨髄性白血病になった人はいませんでした。それなのに、まさか夫が発症するなんて・・・。
- 私は何をすればいいんだろう
- どうすれば、夫は楽に暮らせるだろう
そんな風に悩みながら、2012年の発症から2016年の現在まで、妻の私ができたことを今回はお伝えさせていただきます。
同じように、あなたの大切な人が慢性骨髄性白血病を発症しているのであれば、何か参考になるかもしれないので、よろしければご覧ください。
※慢性骨髄性白血病=CMLと記載
記事の目次
妻の私ができることなんて、ひとつしかなかった
妻の私ができたことは、ひとつしかありませんでした。
それは、ただ見守ることだけ
何か参考になるかもと言いながら、役に立たないお話になってすいません。
CMLを発症してからタシグナを服用し症状が安定するまでは、本当に見守ることだけしかできませんでした。なぜならその当時、CMLと告知されてからすぐには、夫が死ぬかもしれないと理解できなかったからなのです。
人に話して初めて、夫が死ぬかもしれないと理解した
会社の健康診断で異常が発見された2012年、そのころ私は輸入食品店に勤めていて、夫と神戸市立医療センター中央市民病院へ行く日もシフトが入っていたのですが、急遽休みをとりました。
そしてCMLと診断された翌日、店に現状を説明しようと電話連絡したときに、女性店長にこう言われたのです。
「旦那さん大丈夫だった?」と。
ホントに何気ない一言でした。
日頃から親しくしていた店長から心配しそうな声で聞かれ、「夫が」と自分で口にした瞬間に、やっとわかったのです。
夫が死ぬかもしれない
中央市民病院で病名が判明したとき理解していたはずなのに、頭の中では理解できてなかったのです。
電話口でグッと声が詰まり、喉が震えて涙が出てきました。
(夫は薬を飲まないと死んでしまうんだ)
(今まで悪いとこなんて無かったのに、何でなんだろう)
(これからどうなるんだろう)
色んな思いが頭を駆け巡り、泣きながら電話口で店長に夫が慢性骨髄性白血病と診断されたことを告げました。自分で口にして初めて、その事実を受け入れることができたのです。
店長も言葉に詰まった様子で、旦那さんとこれからのことをよく話し合うようにと、落ち着いて声をかけてくれました。
頭の中で「夫は慢性骨髄性白血病になったんだ」と、分かっていたはずなのに、頭は無意識にそれを拒否してました。
だって、自分の大切な伴侶が大変な病気に罹ったなんて、死ぬかもしれないなんて、どう考えたって理解なんてしたくないですよ・・・。
それから幾分か冷静さを取り戻し、夫とこれからのことについて話しました。
- 生活や治療費のこと
- おそらく治療は時間がかかるであろうこと
- 治療中は子供を授かることができないということ
抗がん剤治療を始めるにあたって、何かあったときにすぐ対処できるようにと、私はもっと時間に余裕がある仕事を探すことになりました。(この記事を書いている2016年も治療中なので、自宅で仕事をしています)
そして、飲み始めの副作用がキツイと言われるタシグナの服用が、本格的に始まります。
投薬開始後は、本人の様子を見ることしかできない
分子標的治療薬であるタシグナは、飲み始めてから2週間の間が一番辛かったと言っています。側で見ていても、その日の夫の体調に合わせて食事を変えるぐらいしか出来ないので、本当にもどかしい日々が続きました。
詳しくはこちらに記載してますので、ご覧ください。
血液のガンと言われる慢性骨髄性白血病は、進行度が3段階に分けられます。
- 慢性期(約5~6年)
- 移行期(6~9ヶ月)
- 急性転化期
夫は2012~2016年11月現在まで慢性期の状態で治療中ですが、率直に言うと、慢性期の状態で投薬以外の治療法はありません。(夫の例です)
『この食べ物がガンに効く!』と言った食事療法も信じてません。
医学的に確信が持てる情報があれば食事に取り入れたいと思ったことはありますが、CMLの進行度が違えばあてになりませんし、正直に言うと、そもそも食べ物でCMLが治るとは思ってません。
なので、治療開始後に私ができたことと言えば、夫の体調をよく見て、その日の食事を考えることぐらいでした。
あるとき、食事以外に夫を気遣うことについて、こんなことを聞いてみました。
人に薬を服用していることを説明せざるを得ないときは、病名を明かすと相手に気を遣われてしまうそうです。病名が病名なだけに致し方ないですよね。気にするなと言う方が無理かもしれませんが、夫は過去にその気遣いを億劫に感じていたそうです。
こういった過去の出来事から、我が家では夫の体の状態が平常のときは特別扱いはしません。しんどそうだなと思ったときだけ、素早く手を貸すようにしてます。
もちろん人によって程度は異なりますので、あなたの大切な人はどうしてほしいのか。意見や要望を聞いてみて、お互いすり合わせてみてください。
もし大切な人が病気になってしまったら、何ができる?
ある日突然、あなたの大切な人が病気になってしまったら、あなたは大切な人のために何ができますか?
私が夫にできたことは、見守ることだけでした。
人はいつか死にます。
自分でもそれは、分かっているつもりでした。
ただ、薬を飲まないと確実に死んでしまう出来事が起こるなんて、誰が予想できたでしょう。
何より一番ショックを受けていたのは、当事者の夫です。
今の落ち着いている状況だからこそこの場で言えますが、CMLを発症した当時はすごく負い目を感じていたそうです。
- もしからしたら、治らないかもしれない
- 妻を置いて、死んでしまうかもしれない
- 治療費が払えなくなるかもしれない
- 子供を授かることができないかもしれない
普段から現状を嘆くことは口にしませんが、それでも落ち込む様子の夫を私は変に励まさず、すぐ手助けできるようにそっと見守っていました。
特別なことは必要ありません。
そのとき、ほんの些細な事でも、あなたができることをすればいいと思います。
慢性骨髄性白血病は比較的治療期間が長い病気です。
いつ治療が終わるのかわからない不安な気持ちにかられることもあるでしょう。そんなときは無理に自分の中に押し込めたりせずに、あなたの大切な人に打ち明けるか、話ができる人と話をしましょう。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
この記事へのコメントはありません。