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タシグナの飲み合わせ!フラノクマリンを含む食べ物には要注意

グレープフルーツ2

前回に引き続き、食事のことについて書いていこうと思います。

慢性骨髄性白血病を発症して、禁止される食べ物のなかにグレープフルーツがあります。グレープフルーツに含まれるフラノクマリンという成分が、タシグナの作用に影響を及ぼすのです。

及ぼすとわかれば、グレープフルーツを食べなければいいだけなのですが・・・実はこのフラノクマリン、主に柑橘類に含まれていて、温州みかんは食べても大丈夫だけど、夏みかんはダメという風に細かく分かれているのです。

「いったいどれなら食べても大丈夫なの?」

と悩んだので、夫婦2人してあれこれ調べてみることにしました。

今回はその経験をもとに、夫と共に調べた情報についてご紹介します。同じように食べ物で悩む方の参考になれば幸いです。

タシグナの飲み合わせについては2016年10月時点の情報になります。服用の際は必ず医師の判断を仰ぎ、ご自身でも情報を確認するようお願いいたします。

※慢性骨髄性白血病=CMLと記載

 

タシグナ(ニロチニブ)の飲み合わせ

なぜタシグナ(ニロチニブ)を服用するときは、グレープフルーツを食べてはいけないのか?それはグレープフルーツを食べると薬との相互作用*を起こし、薬が効きすぎてしまうからです。

小腸上皮細胞に存在するCYP3A4を阻害することにより、薬物の吸収が増大
Bcr-abl阻害薬 マルチキナーゼ阻害薬PDFから引用

*相互作用とは、干渉し、意図しない効果を生み出すこと
*CYP3A4とは、小腸上皮細胞に存在する薬物代謝酵素のこと

ではどの食べ物が、フラノクマリン類を含んでいるのか?

参考にした情報源とともに、さっそくご紹介します。

 

フラノクマリン類が含まれる食べ物

参考にした情報源のリンクと、フラノクマリン類が含まれる食べ物(相互作用あり)・含まれない食べ物(相互作用なし)を表にしたのでご覧ください。

愛媛大学医学部付属病院薬剤部 薬品情報室
グレープフルーツおよび他の柑橘類との薬物相互作用(PDF)
含まれる食べ物 含まれない食べ物
ブンタン・グレープフルーツ・絹皮
スウィーティー・ハッサク・晩白柚
夏ミカン・ダイダイ・サワーオレンジ
レモン・バレンシアオレンジ
かぼす・温州みかん

この他にも、作用として不明な(報告がない)柑橘類もあります。

ライム区 ライム・ベルガモット
ダイダイ区 日向夏・伊予柑・トロビタオレンジ
ユズ区 ユズ・スダチ
ミカン区 ポンカン・地中海マンダリン・シークァーサー
雑種 清見(温州ミカン×トロビタオレンジ)
デコポン(清見×ポンカン)

一度記載しているPDFを確認していただきたいのですが、特にザボン区ダイダイ区の柑橘類に相互作用があるものが多いです。

そして作用が不明のものの中に、ダイダイ区が含まれているので、念のためこの3種類にしても食べないようにしています。

上記PDFの他にも参考になる情報がありましたので、リンクを掲載しておきます。

参考資料

福岡大学病院 薬剤部
Bcr-abl阻害薬 マルチキナーゼ阻害薬(PDF8ページ目に相互作用について記載)

鹿児島市医師会病院薬剤部
グレープフルーツジュースの薬物相互作用について

東邦大学医療センター大橋病院
おくすりQ&A(お薬とグレープフルーツジュース)

 

ご覧になっていただければ分かると思いますが、食べて問題ない柑橘類と、そうでない柑橘類の情報が違う場合があります。

ここに記載している情報は2016年時点のものなので、この先相互作用のあり・なしについても基準が変わる可能性が考えられます。判断に迷うときは、必ず担当医に尋ねるようにしてください。

では続けて、食べ物について実際に夫の担当医に尋ねてみたことをご紹介します。

 

CMLの担当医に尋ねてみたら・・・

神戸市立医療センター中央市民病院に3か月に1度の診断の際、夫の担当医にフラノクマリン類について気になったことを尋ねてみました。

尋ねたのは2つの質問です。

  1. ネット上にあるフラノクマリン類の情報はどれが正しいのか
  2. フラノクマリン類で何g(ml・cc)を食べたら危険などの基準はあるのか

食事制限もなく果物も食べれるのなら、成分を気にせず食べてもらいたい。むしろ家庭で食事を提供する側としては知っておきたいことだったので、遠慮せず聞きました。

1:ネット上にあるフラノクマリン類の情報はどれが正しいのか

診察室のその場で薬剤部に確認をしていただき、

愛媛大学医学部付属病院薬剤部 薬品情報室
グレープフルーツおよび他の柑橘類との薬物相互作用(PDF)

「このPDFを参考にしてほしい」と言われました。

 

2:フラノクマリン類で何g(ml・cc)を食べたら危険などの基準はあるのか

これは今のところ、「基準となる数値はない」という返答でした。

確かに、同じCMLの慢性期でも現れる症状が違えば、検査結果の数値が違うこともあるので、フラノクマリン類の基準となる数値がないのも納得です。

罫線

今回はタシグナの飲み合わせについてご紹介しました。

ネットで検索すれば、ca拮抗薬とグレープフルーツの飲み合わせについての情報がたくさん出てきます。しかし、分子標的治療薬であるタシグナと同様の取り扱いでいいのか疑問に思うところもありました。

夫も「何となくグレープフルーツがダメというくくりで見てたな~」と言っていたので、思い切って担当医に尋ねてみて良かったと思います。

口にする食べ物が、そのまま命に関わってくることなので

「食べて本当に問題はないのか」

これを、常日頃から意識したいですね。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

 

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